看護師に求められる患者の容体急変時の対応

患者の容体が急変したら、看護師は緊急対応の措置を行わなければなりません。容体急変とは、患者の心身の状態が突如悪化することで、素人ならただちに救急搬送を要請する場面です。

患者の様子がおかしいと思ったら、まず肩を叩きながら呼びかけて意識の有無を確認します。意識があれば体温をはじめ脈拍や呼吸数、血圧などのバイタルチェックをしながら、痛みや麻痺の有無など症状について聴取し、可能なら酸素飽和度も調べましょう。次は医師の指示に従って心電図検査や採血、レントゲン撮影などで急変の原因を究明します。

もし肩を叩いて声がけしても反応がなければ意識もないと判断し、気道確保に移りましょう。意識を失うと喉に舌根が落ち込んで気道を塞ぎ、呼吸困難になってしまうからです。

患者を仰向けにして額を軽く押さえ、顎に指をかけて引き上げることで気道確保できます。気道を確保したら、次は胸の上下運動や呼気音から呼吸の有無の確認です。患者の鼻に顔を近付けて、五感を集中させて呼吸をチェックしましょう。

呼吸がいと判断したら、心停止とみなして人工呼吸と同時に心臓マッサージをすることになっています。動揺していると、脈を取っても心音の有無を把握できないことが多いです。

心臓マッサージは、左胸に両手を重ね垂直方向に体重をかけて押し込むようにします。複数の看護師がいれば、50回ほどで交代しましょう。マッサージだけでは心機能が回復しないなら、電気的除細動も併用します。